夙川BOYSのキラキラ感を次は私たちが流行らせたい
⏤⏤さて、今年5月の本格再始動から頼もしい快進撃が続いていますが、今改めてその第一歩となった復活自主企画ライヴを振り返って思うことはありますか?
クハラディ そこから今につながっていると思うと感激もひとしおですね。好きで一緒にやりたいと思っていたバンドとあの日を迎えることができたのが何より良かった。ただ、正直あまり覚えていなくて(笑)。
アカリンゴスター え、なんで?(笑)
ヒノ ほんと、なんで?(笑) 自分はそれまでずっとベースレスバンドの音楽とか、クハラのやりたいことをぶっちゃけよく理解できていないままだったんですよ。それがオープニングに出させてもらったザ50回転ズ(以下50回転ズ)のライヴが想像を超えるカッコ良さで、その時に「あ、クハラがやりたいのはこういうことなのか」とパッとわかった。
で、自分たちの復活自主企画がその直後にあったわけなんですけど、終演後にずっとTHE DO’sを観てくれていた友だちから「すごく良かった!」って、「精神的なところ何か変化でもあった?」って言われたんですよ。それで「最近急にTHE DO’sでやりたいことがわかったんだ」という話をしたんですけど、いや、本当にクハラのやりたいことが見えてきて。そっかー、こういうことをお客さんに届けたいんだって。
⏤⏤”こういうこと”、それを言葉にできますか?
ヒノ 何だろう、、、?
クハラディ エンターテイメント。
ヒノ そう! エンターテイメント!!! 日々いろんなことがあるけど、ライヴに来れば全部吹っ飛ぶみたいな。キラキラしてて、、、あと、何かある?
クハラディ いやいや(笑)。50回転ズは僕の中ではまさしくエンターテイメント性のあるバンドだと思ってて。やっぱりね、笑える音楽が好きなんですよ。キンブラもパフォーマンスはめちゃくちゃやばいけど、どこか笑える部分ってあるじゃないですか。
⏤⏤ギターウルフ然り。凄まじさってレベルを超えると可笑しさに変わるところがありますよね。
ヒノ そうそう!(笑) 元気出る!
クハラディ 根底はそんな感じなんです。
ヒノ あとさ、最近クハラと話すのは鬱屈した感じの音楽っていうんですかね、病み系の失恋ソングみたいなのがうちらの世代で流行っているんですけど、それはそれとして、うちらは失恋したとしても明るくやりたいねって。それこそ、夙川BOYSが持っていたキラキラ感? まっすぐでキラキラした感じを私たちが流行らせたいまであるというか。
⏤⏤あー、良いですね。
ヒノ 例えばTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下ミッシェル)とか、硬派でカッコいいのがロックンロールみたいなイメージを持っていたのが、50回転ズを観たことでまた別のカッコ良さがあると知って。そういうことか!って感じでしたね。
⏤⏤それまではどういう部分に軸を持っていたと思います?
ヒノ ロックが好きで楽しいって感じだったのかな。でも、自分はいまだにクハラのステージ力みたいなもののなさに悩んでいるというか(笑)。
アカリンゴスター ふたりで結構真剣に話すんですよ。
クハラディ 、、、知らなかった(笑)。
⏤⏤その内容を聞いてもいいですか?
ヒノ やっぱりクハラは目立つんですよ。で、フロアの人はみんなクハラを見て楽しそうに笑っているんですよ。
アカリンゴスター ギターソロじゃない時でさえ。
ヒノ ギターソロの時に目立つのは当たり前だけど、ヒノがメインヴォーカルをしている時もヒノじゃなくてクハラを観ている人が結構いて。
アカリンゴスター ヒノさん側でライヴを観ていても目線はクハラさんの方に向いているとか。
ヒノ 特に初期の頃はうちら、自分たちがお飾りになっているんじゃないかって感じてて。
アカリンゴスター クハラさんの始めたバンドだし。
クハラディ 実際に”クハラのバンド”というイメージはわりとあったんですよ。
アカリンゴスター それはそれでいいけど、でもうちらはやっぱりそのイメージを奪回したいと。
クハラディ 僕もそのバランスは嫌だし。
ヒノ クハラがステージから降りてフロアでお客さんに肩車してもらってギター弾いていた時は、逆に周りから「もう少し女の子たちを立ててあげなよ」って言われていたよね(笑)。
クハラディ 、、、言われていました(笑)。
ヒノ クハラはいろいろやれて目立ててしまうから、逆にうちらが勝てなくて。
アカリンゴスター そういうことをうちらで話したね。でも、自分たちのキャラみたいなものを出せるようになったのはそれこそ50回転ズのライヴを観てからなんですよ。衣装が変わったことも手伝って自分たちのキャラを出せるようになったんじゃないかなって。
ヒノ 自然と変われたんだよね。で、THE DO’sってバンドを組む目的で出会った3人なんですよ。
アカリンゴスター スタジオで「初めまして!」でしたね。
ヒノ だからバンドの歴史が知り合ってからの歴史でもあって。
⏤⏤あ、そっか。
ヒノ だからようやくお互いのことをだんだんわかってきたという時期でもあるということなのかも。
アカリンゴスター 初めて出会った時、背が高いってこともあってヒノさんを見て「わあ、お姉さんだ!」って思ったのを覚えてる。
ヒノ 自分はクハラと知り合ってすぐにバンドに誘われて、「女の子ドラムがいい」と聞いて「何でだろう?」と思いつつスタジオに行ってみると可愛い女の子がいたから、最初は「本当に大丈夫なのか?」と思っていましたけど(笑)。
アカリンゴスター 最初は謎だらけ(笑)。
ヒノ “女の子ドラムがいい”、そして”ベースレス”、、、ん、何で?って(笑)。
クハラ 自分のキャラが強すぎるというとアレですけど、、、<女の子2:男の自分1>の比率がこのバンドの黄金比だと最初から思っていたんですよ。
⏤⏤ヒノさんもアカリンゴスターさんも当初からクハラさんに何かしらの意図やビジョンがあるんだろうということはわかっていたけど、、。
アカリンゴスター でも特に何か説明されるわけでもなかったから(笑)。
ヒノ 活動していく中で、クハラがやることをわかっていてまっすぐに行動している感じは伝わってきていたけど、そのビジョンはわかっていなかったんですよね。それがここにきて急に。
⏤⏤THE DO’sの理想に向かって3人が3人なりに少しずつ近づいて行っているサマにドラマを感じますね。
クハラディ はい。そもそも持っているものがあると感じて声をかけたふたりですし。
⏤⏤お互いがお互いに敵わないものを持っていて、お互いがお互いに憧れを持っている3人の作るTHE DO’s。それがまた面白さでもありますね。
クハラディ めっちゃそんな感じです。
祝再始動。半年ぶりという復活ライヴで初めてTHE DO DO DO'sを観てきました。サウンドチェック時にクハラさんがちらっと弾いていたN夙川BOYSの当時の姿と3人を重ねたり、胸をキュンキュンさせながら満喫してきた大爆発のロックンロール。いいねー、ロックンロールの新しい波がきているねー。 pic.twitter.com/qJ6kXJC921
— VAMPGRRRL (@VAMPGRRRL) May 18, 2024