THE LET’S GO’s-LET’S BOMB Interview②
走り出したら止まらない:怒涛のエブリデイ
――この3人になってからの初めてのスタジオに続く大きな出来事というと何でしょう?
サクラ 9月の初ライヴかな?
――VAMP!のやっているイベント、CHICKS RIOT! ですね! 10月に予定されていた公式お披露目ライヴからフライングして、実質の初ライヴとなりました。あの夜は演奏してみてどうでしたか?
マリコマリコ あの日はゲリラ的な感じでライヴをしたんですよね。ココさんと私のユニット“レッツゴーズー”として出るよって告知していながら、当日は3人で登場するっていう。
――ココちゃんへCHICKS RIOT!の出演オファーをしたのが5月か6月だったかな。“レッツゴーズー”として出ていただくことになっていたけど、「一応サクラちゃんにも話しておきますね」って言っていたのが、「サクラちゃんが腕を上げてきています」…それから「レパートリーが増えてきています」…「3人で何曲か披露できそうな感じ!」。そんな風にココちゃんからの連絡状況が変わってきていたけど、ついに「レッツゴーズとしてやれそうです!」とメッセージが入ってきた時は、私も「えっ、う、うそでしょ!」って。
全員 あははは。
――9月8日のCHICKS RIOT!当日はライヴを観ながら「…今日が初ライヴなんだよね?!」「サクラちゃん、ベース始めて4ヵ月だよね…だよね?!」って何度も自問自答していました。
サクラ ありがとうございま〜す! うれぴー! あの日を迎えるのが、本当に楽しみでしたよ。緊張なんて1ミリもないくらい。もう楽しさしかなかった!
マリコマリコ あの日に演奏したのは、たったの6曲だったんだよ。
サクラ 今から思うとね。
マリコマリコ 今の半分くらいの尺だけど、必死だったね!
サクラ ステージに立っているってことがもう「イエイ!」みたいな感じ。ただただ、それだけ。
マリコマリコ あの日って黄色いTシャツにTHE LET’S GO’sってスプレーされた衣装だったんですけど、Tシャツに袖を通した時に「私ってレッツゴーズなんだー!」って気持ちになった。感慨深かったです(笑)。
ココ 私は最初からレッツゴーズのメンバーで、これまでも3人でステージに立ってきたけど、メンバーが変わるとやっぱり自分自身もまた変わるもの…変わったなって痛感しています。というのは、CHICKS RIOT!の前に、実は練習みたいなライヴをやっているんですけど、後日その映像を観て愕然としたんですよ。前のメンバーの時と同じ気持ちでこの3人でステージに立つと、自分だけがこんなにも浮いてしまうんだって。マリコも、サクラちゃんも、すごく楽しそうにやっているのに、自分だけが真剣にやりすぎていたんですね。
サクラ ココさん、すごく落ち込んでいたよね。
ココ 私は長年ライヴをやってきたのに、まだステージに立って間もないメンバーにすごく負けてるよって。
マリコマリコ ココさん、「ふたりに追いつけるように頑張る」って言っていたよね。どうしたんだろう?って思ってた(笑)。
ココ そのライヴを機にこれまでと同じ気持ちでやっていちゃダメだってわかったんです。私も新しい気持ちになって楽しくやるんだって。CHICKS RIOT!のライヴではそう意気込んで演奏したから楽しくライヴできて、それがまたすごく気持ちよくって。私って私のままでいいんだ。バンドは楽しくやっていいんだ!って。
サクラ 変にカッコつけなくてもね。
ココ 自由なんだって。そういう感情が心の底からブワッと湧いてきたっていうか。そういう気持ち、久しぶりに実感しました。
サクラ オフィシャルのお披露目ライヴよりも、その日のことが心に残っているよね。
マリコマリコ ライヴ中のこともよく覚えてる。
サクラ 公式のお披露目ライヴって、ライヴとしては4本目だったもんね。
マリコマリコ だからお披露目ライヴは、本当に満を持してという感じのステージだったね。みんなが楽しみにして来てくれていたから、レッツゴーズって本当にたくさんの人から愛されているバンドなんだと実感しました。身の引き締まる思いでしたよ。
――お披露目ライヴも文字通りに畳み掛けのパフォーマンスだったけど、レッツゴーズは今、バンド史上最速の展開を繰り広げていますね。
マリコマリコ ライヴは月8本とかやっているしね。
――ライヴもそう、ライヴ活動全体もそう。すべてがマシンガンのごとく。
サクラ (笑)月11本やった時もあったね。その翌月は9本とか。
マリコマリコ アホだな。
サクラ アホだよね(笑)。
ココ オファーが急に増えたんです。それを全部断らずに出ていたら…そういう結果に(笑)。
――あの怒涛のライヴ本数は、結果に過ぎなかったのね。
全員 そうそうそう。
マリコマリコ その流れで新曲がどんどん増えていったんだよね。スタジオにもたくさん入ったしね。
サクラ だから成長が早かった!
――どんどん新曲できていって、じゃアルバムへ。驚異的な速さでアルバム制作へたどり着いたっていうのも、自然なことだったんですね。
サクラ あとはベースラインにしても、前のレッツゴーズの曲は演奏が難しいんですよ。それで、私でも弾ける簡単なベースコードで演奏できる曲を作ったり、私が曲を作ったりしていて、「あれ…曲あんじゃん。アルバムできんじゃん?」って(笑)。
――アルバム制作へとバンドのベクトルが向いていったのは年明けくらい…?
マリコマリコ もう少し早くても良かったんですけど、さすがに間に合わなくて。1月にレコーディングしました。
サクラ だから、今となっては随分と前のことなんですよ。今弾いたら私もっと上手なのに!(笑)
マリコマリコ だけど、高円寺HIGH(CHICKS RIOT!)に続くビッグイベントって、もうレコーディングだっけ?
全員 うーんと…。
サクラ 11月に50回転ズのオープニングもあったね! あれも嬉しい出来事だったな。
――ハコも大きかったでしょう?
サクラ ですね。ステージに出た瞬間、「はい、お客さんが一杯です!」って言ったよね(笑)。
マリコマリコ それまではみんなが温かく見守ってくれているようなホーム感の強いライヴが多かったけど、50回転ズのオープニングでは良い意味でそういう空気ではなかったから、バンドをやるってこういうことなんだって。こういうライヴをこれからもやりたいって思った。
ココ レッツゴーズって50回転ズとは長く関わらせてもらっているんですけど、オープニングをやらせてもらった日に楽屋で衣装にバンド名をスプレーしている私たちの姿をチラッと見て、「ええなあ!」ってすごく羨ましがられたんですよ。結成したばかりのバンドがワイワイやっているフレッシュな感じを、温かく見守ってくれた感じがすごく嬉しかったですね。
――ココちゃんとしてはずっと同じ名前のバンドをやっているとはいえ、感覚的には新しいバンドを始めたというノリを、ここにきてまた堪能できている喜びみたいなものもあったりするのでは?
ココ そうなんですよ。私、本当に美味しいとこ取りですよ(笑)。今までやってきたバンド名はそのままに、実質真新しいバンドを結成している感覚で活動できているわけで。だから、やっぱり私自身の気持ちもパッと変わったし、新しいメンバーからインスピレーションをたくさんもらってバッと新しい曲が作れたんですよね。
――では、最新作についてお話を聞いていきましょう。曲にまつわるドラマやエピソード、曲に込められた思いなどを聞かせてもらって良いですか?
全員 はい!
(…続く)